みなさんこんにちは!
今回は美大受験生のみなさんにとってはお馴染みの石膏像について取り上げてみたいと思います。美大予備校としても機能している本校には、教室に入ると様々な石膏像が置いてあります。デッサンの基礎を学ぶ者にとっては避けては通れない石膏像…そもそも石膏像とは何なのか?石膏デッサンによって何が身につくのか?描く前に知っておきたいポイントをおさえておきましょう!
東京藝大の入試では石膏像のデッサンが出題されることで有名ですが、実際に入試問題で石膏像のデッサンが出題される大学は多くはないようです。ですが、デッサンの基礎力を向上させる近道として、あるいはこれまで学んできた力試しとして、石膏像デッサンに挑戦してみると、何か大きな発見が待っているかもしれませんね。
ここからは、本校に置いている石膏像をいくつか紹介していきたいと思います。第1回目の今回は、ブルータスをご紹介します!
【石膏像紹介第1回】ブルータス胸像
ミケランジェロ・ブオナローディ作。フィレンツェ、バルジェロ美術館収蔵。1539年頃製作。
ローマ時代のカエサル暗殺事件の首謀者で、共和派のリーダーだった「マルクス・ユニウス・ブルータス」の肖像です。
ブルータスと聞くと、「ブルータス、お前もか!」というセリフ(シェイクスピア“ジュリアス=シーザー“)が頭に浮かびますが、ここで言うブルータスと、今回の石膏像のブルータスは実は別人だと言われています。(諸説あるようです)
ちなみにこのセリフは、マルクス・ブルータスと同様、暗殺計画に参加したカエサルの腹心の部下であった「デキムス・ユニウス・ブルートゥス」に対しての発言だったと言われているようです。デキムスの方も「青年ブルータス」として胸像が残されています。
「マルクス・ユニウス・ブルータス」の胸像は、ミケランジェロ60歳の頃の作品です。実際にミケランジェロが作ったのは頭部のみで、衣服のほとんどは弟子のカルカーニが作ったとされています。ローマ風に作り込まれた衣服の部分とは対照的に、頭部の頭髪は未完成のままなようです。未完のままとはいえ、ミケランジェロのタッチはそのまま作品に残されています。